こんにちは!宮中です。スポーツに励むお子さんが「踵(かかと)が痛い」と訴えると、親御さんも指導者の方も心配になりますよね。「練習のしすぎかな?」「しばらく休ませれば治るかな?」と考えるかもしれませんが、実はただ休むだけでは、競技復帰したときに痛みを繰り返してしまうことが少なくありません。今回は、成長期の子供に多い**シーバー病(踵骨骨端症)**について、痛みの根本的な原因と、治療家の視点でチェックしてほしいポイントをわかりやすく解説します。
1. その踵の痛み、原因は「使いすぎ」だけじゃない?
シーバー病は、成長期特有の柔らかい踵の骨(骨端線)に炎症が起きたり、細かな傷がついたりする状態です。安静にすることも大切ですが、なぜそこに負担が集中しているのかという「根本的な理由」を解決しない限り、再発のリスクは残ります。改善の鍵は、踵にかかる以下の3つの力を減らすことにあります。
- 牽引力(けんいんりょく) :アキレス腱などが骨を引っ張る力
- 衝撃 :着地時などに地面から突き上げる力
- 剪断力(せんだんりょく) :骨が上下左右にズレるように働く力
この3つのストレスをどう逃がすか、具体的なチェックポイントを見ていきましょう。

2. ポイント①:重心が後ろに寄りすぎていないか?(後方重心)
まずチェックしたいのが立ち姿です。 重心が踵(後ろ側)に寄りすぎている と、踵がクッションとして機能せず、直接的な負担(圧縮ストレス)が激増します。特に、「猫背気味で骨盤が前に突き出た姿勢(スウェーバック)」のお子さんは要注意です。また、左右どちらか片方の踵だけが痛い場合は、**「体のねじれ」**が原因かもしれません。実は、 脇の下の筋肉(前鋸筋:ぜんきょきん)や骨盤周りの硬さ が原因で、無意識に片方の踵に体重を乗せ続けてしまうケースが多いのです。
対策の考え方
- 硬い場所をほぐす :脇の下や股関節周りなど、体をねじらせている原因の筋肉をリラックスさせます。
- 弱っている筋肉を動かす :お腹周り(腹斜筋)など、姿勢を真っ直ぐに保つための筋肉をしっかり使えるように練習します。

3. ポイント②:足の関節は柔らかく動いているか?(衝撃吸収)
足にはたくさんの小さな関節があり、それらが連動することで衝撃を吸収しています。ここで重要なのは、**「どこかの関節が硬いと、他の関節が無理をして動きすぎる」というルールです。シーバー病のお子さんに多いのが、 「足の甲の関節(ショパール関節)」が硬くなっている パターンです。足の甲が硬い板のようになって動かないと、代わりに「踵のすぐ上の関節(距骨下関節)」**が過剰にねじれて衝撃を逃がそうとします。これが繰り返されることで、踵に強い「ズレる力(剪断力)」と炎症を引き起こすのです。

アドバイス:太ももの外側をほぐそう
意外かもしれませんが、足首の動きを良くするには**太ももの外側の筋肉(大腿二頭筋)**をほぐすのが効果的です。この筋肉が硬いとスネの骨がうまく回らず、足首のクッション機能が低下してしまいます。ここをケアすることで、足全体の衝撃吸収力がアップしますよ。
4. ポイント③:着地の時に膝が前に出すぎていないか?(下腿前傾)
ジャンプの着地などで、スネが前へガクンと倒れすぎてしまう動きにも注意が必要です。スネが前に倒れるほどアキレス腱は強く引き伸ばされ、踵の骨を強力に引っ張ってしまいます。実は、**「足首がもともと柔らかすぎる子」ほどこの状態になりやすいのです。柔軟性はあっても、それを支える筋力がないため、着地の衝撃に耐えきれずアキレス腱に負担が集中してしまいます。これを防ぐには、ふくらはぎの深いところにある「ヒラメ筋」 を鍛え、 「ブレーキをかける力(遠心性収縮)」**を養うことが不可欠です。
5. まとめ:早めのチェックでスポーツを楽しもう
シーバー病の改善には、ただ休むだけでなく、以下の3つのポイントを見直すことが早期復帰への近道です。
- 後方重心の改善 :踵に集中している体重を分散させる。
- 足の可動域を広げる :足の甲や太ももの外側をほぐし、衝撃を吸収できる足にする。
- 筋力をつける :ヒラメ筋を鍛え、着地時にアキレス腱が引っ張られすぎないようにする。
もしお子さんが踵の痛みを訴えたら、まずはこの3点をチェックしてみてください。「休んでいる間に、痛みの出にくい体を作る」ことができれば、復帰後はもっと最高のパフォーマンスを発揮できるはずです!痛みが強い場合は決して無理をせず、私たち専門家にも気軽に相談してください。

