こんにちは、宮中です。
旅行で歩く時間が増えたとき、普段は気にならない膝が痛くなったことはありませんか。
今回は、旅行中に時々左膝が痛くなり、気になって来院されたK様の事例についてご紹介します。以前からあった足指の症状と、実際の立ち方・歩き方、足圧測定を合わせて、どのようなつながりが考えられるかをアシカラスと一緒に見ていきましょう。


アシカラス: 「膝が気になったとき、足元にも手がかりがあるかもしれない。症状が出た順番から見ていこう。」
左膝が気になる前から、足指には症状があった
お話を伺うと、以前から時々、左の第3・4趾付近に歩行時の痛みがあり、指先のしびれもあったそうです。一方で、触っても痛みはありませんでした。
普段は左膝の痛みはありませんでしたが、先日の旅行では時々痛みが出ました。ご本人に「左膝をかばって歩いている」という自覚はありません。
膝の痛みだけを切り取るのではなく、以前からの足指の症状も含めて、体の使い方を確認しました。
評価で確認した足元
今回の評価では、ランジテストは実施してませんが、左の片脚立ちが不安定な状態でした。立位・歩行の観察では、左踵の内側に荷重し、足が内側へ倒れ込み、土踏まずが潰れる傾向がみられました。右足では、足の外側縦アーチ側にも圧を観察しました。
また、両足首が硬く、しゃがむことが難しい状態でした。外反母趾は両側にあり、角度は右のほうが大きい状態です。
これらは、実際の動きや足の状態を評価して確認した所見です。足圧測定の画像と照らし合わせながら考えていきます。
測定上の圧分布は、右の割合が大きかった
まず、静止時と歩行時の足圧分布を見てみましょう。

静止時と歩行時の測定画像。左図は立位、右図が歩行時のものになります。
| 測定 | 左 | 右 |
|---|---|---|
| 静止時 | 44.7% | 55.3% |
| 歩行時 | 39.3% | 60.7% |
どちらも、測定上の圧分布は右の割合が大きい結果でした。
歩行検査では、片足ずつプレートを踏んで測定しています。そのため、歩行時の60.7%を、そのまま「体重の約60%が右足にかかっている」とは読みません。今回の測定条件で、右の圧分布が大きかったという手がかりとして捉えます。

アシカラス: 「数字は、立ち方や歩き方と一緒に見たいね。左の支えにくさを右で補っているのか、実際の動きと照らし合わせよう。」
足が床から離れるまでの時間にも、左右差があった
次に、接地中の時間の内訳を確認しました。

歩行時の足圧分布の抜粋。各図の左が左足、右が右足です。接地時間の内訳は下の表に示します。
| 時間の内訳 | 左 | 右 |
|---|---|---|
| 片足の接地時間(表では「歩行時間」) | 0.75秒 | 0.69秒 |
| 接触期 | 0.06秒 | 0.06秒 |
| 立脚期 | 0.50秒 | 0.50秒 |
| 推進期(踵が浮いて足趾が離れるまでの時間) | 0.19秒 | 0.13秒 |
推進期の時間は、左のほうが長い結果でした。接地時間に占める割合は、左25%、右18%です。
ここでいう「左が長い」は、右と比べた場合の話です。また、この左右差だけで足の状態や痛みの原因が決まるわけでもありません。
左の支え方や足首の硬さと、接地中の荷重移動がどう関わっているかを考える、一つの手がかりにしています。
今回の方への臨床仮説:左の支持性と膝への負担
実際の評価と測定を合わせて、今回は次のように考えています。
左の踵周りの不安定さと内側への倒れ込み、足首の硬さが、荷重の移動に関わっている可能性があります。左で支えにくい分を、右で補っているのかもしれません。
さらに、左足の内側への倒れ込みが、左膝のねじれのストレスに関わっている可能性もみえてきます。
これは、今回の方の所見から組み立てた仮説です。ご本人に膝をかばう自覚がなくても、実際の動きの中で左右の支え方を確認することには意味があります。
足首の硬さと、足指の痛み・しびれのつながり
以前からあった左足指の症状についても、足の動きと靴の状態を合わせて考えます。
足首を曲げる動きが硬いことで、歩く際に踵が早く離れ、前足部の負担が増える可能性があります。そこに横アーチの崩れ、及び靴の中での指の圧迫が重なることで、痛みやしびれに関わっている可能性が推測されます。

アシカラス: 「足の動きと、靴の中の余裕。指先の症状につながる手がかりを、一緒に確かめたいね。」
足・靴・歩き方を合わせて確認します
膝や足に痛みがあるとき、どこが痛むかに加えて、「いつから」「どんな場面で」という情報も大切にしています。
整体院アシタスでは、お話を伺い、実際の動きや足の状態を評価し、必要に応じて測定結果も合わせてインソールの作製や靴選び、セルフケアなどの提案なども行っております。
旅行や日常の歩行で気になる膝・足の痛みがあれば、いつでもご相談ください。いつ、どこに、どんな症状が出るかを聞かせていただくことが、足元をする第一歩になります。

