成長期の子供のかかとが痛くなるシーバー病ですが、治すために一番大切なのは、勇気を出してスポーツを休むことです。

この記事では、なぜ成長期にかかとが痛くなるのかという原因から、お家でできる簡単な3つの治し方、痛みを悪化させない靴の選び方まで、小学生や中学生にもわかるように解説します。

シーバー病による踵の痛みを治す一番の方法

シーバー病による踵の痛みを治すために最も大切なのは、痛みの原因となっているスポーツを休む勇気を持つことです。

痛みを悪化させないための靴選びや、専門家への相談も回復への近道になります。

つらい踵の痛みを乗り越えるには、まず休養を最優先し、足元からのサポートを見直すことが治し方の基本となります。

まずは勇気を出してスポーツを休むこと

シーバー病の痛みは、スポーツなどでの踵の使いすぎが原因で起こります。

そのため、一番効果的な治療は、原因となっている運動を休んで、踵を十分に休ませることです。

痛みを我慢してスポーツを続けると、踵の炎症が悪化して治りが遅くなってしまいます。

試合が近いと焦る気持ちも分かりますが、将来のために今は勇気を持って休む決断が大切になります。

まずは痛みがなくなるまでしっかり休養することで、踵が自然に回復するための時間を作ってあげましょう。

痛みを悪化させないための正しい靴選び

シーバー病の痛みの悪化を防ぎ、回復を早めるためには、普段履いている靴が踵をしっかりサポートできるかどうかが重要です。

インソールも大切ですが、その前に靴自体を見直しましょう。

チェックするポイントは「かかと部分の硬さ」「靴のねじれにくさ」「毎回靴紐を結ぶ習慣」の3つです。

足に合わない靴や、かかとが不安定な靴は、歩くだけで踵に余計な負担をかけてしまいます。

踵を安定させる靴を選び、靴紐をしっかり結ぶ習慣が痛みの軽減につながります。

痛みが続くなら病院への相談も検討

セルフケアを続けても踵の痛みがなかなか引かない場合や、痛みが強くて歩くのがつらいときは、我慢せずに整形外科などの病院で専門家に見てもらうことを考えましょう。

病院では、レントゲン検査で骨の状態を確認したり、痛みの原因を正確に診断してもらえたりします。

お子さんの足の状態に合わせた治療法や、正しいストレッチの方法についてアドバイスがもらえるので安心です。

自己判断で無理を続けると、症状が悪化する可能性があります。

痛みが長引く場合は、できるだけ早く専門の医師に相談してください。

踵の痛みを治すための3つの簡単ステップ

つらい踵の痛みを治すために一番大切なのは、踵への負担を減らすことです。

お家でできる簡単な対策を、3つのステップに分けてわかりやすく解説します。

これらのステップを一つずつ実践することで、痛みの改善につながりますよ。

ステップ1 痛みの原因となっている運動の休止

シーバー病は、スポーツなどで踵を使いすぎることが原因で起こる「オーバーユース(使いすぎ)」が主な原因です。

痛みを治すための最も効果的で一番の近道は、勇気を出して原因となっている運動を休むことになります。

焦る気持ちはよく分かりますが、痛みがなくなるまで休むのが理想的です。

無理をすると治りが遅くなってしまうため、まずは踵が回復するための時間を作ってあげましょう。

ステップ2 踵を安定させる靴選びの3つのポイント

普段履いている靴も、踵の痛みに大きく関係します。

踵をしっかり守ってくれる安定した靴を選ぶことが重要です。

ここでは、靴を選ぶときに確認してほしい3つのポイントを紹介します。

今履いている靴が当てはまっているか、ぜひ確認してみてください。

この3つのポイントを満たす靴は、歩いたり走ったりするときの衝撃から踵を守り、足元を安定させてくれます。

ステップ3 インソール活用とストレッチでの負担軽減

靴選びとあわせて行いたいのが、インソールとストレッチです。

インソールとは、靴の中に入れる中敷きのことで、踵への負担を減らす役割があります。

インソールは、歩くときに足首が内側に倒れ込みすぎる動き(回内)を優しく支えてくれるものを選びましょう。

硬すぎたり柔らかすぎたりする製品は、かえって足に負担をかけるので注意が必要です。

加えて、お風呂上がりにふくらはぎやアキレス腱を伸ばすストレッチをすると、踵への負担をさらに減らすことができます。

毎回靴紐をしっかり結ぶ習慣の重要性

どんなに良い靴やインソールを選んでも、履き方が正しくないと効果は半減してしまいます。

特に重要なのが靴紐の結び方です。

靴を履くたびに、かかとを靴にしっかり合わせ、足が靴の中で動かないように毎回靴紐をきちんと結び直す習慣をつけましょう。

面倒に感じるかもしれませんが、この一手間が踵をしっかり固定し、痛みの悪化や再発を防ぐことにつながるのです。

シーバー病で踵が痛くなる本当の理由

シーバー病の原因は、単にスポーツの「使いすぎ」だけではありません。

成長期の子供特有の体のつくり、つまり柔らかい踵の骨に繰り返しの負担がかかることが根本的な原因です。

この仕組みを理解することが、正しい対策への第一歩になります。

これから、なぜ成長期に痛みが起きやすいのか、踵の中で具体的に何が起こっているのかを詳しく解説していきます。

成長期の子供に多い踵骨骨端症という状態

シーバー病は、正式には「踵骨骨端症(しょうこつこったんしょう)」と呼ばれる、成長期の子供に特有のスポーツ障害です。

これは病気というよりも、成長過程で起こる一時的な骨の炎症だと考えてください。

特に、10歳前後の活発な男の子に多く見られます。

この時期は骨が急速に成長しますが、筋肉や腱の成長が追いつかないために、骨と筋肉の付着部に負担がかかりやすいのです。

つまり、骨がまだ未完成な状態で、大人のような激しい運動をすることが痛みを引き起こすきっかけになるのです。

柔らかい成長軟骨板への繰り返しの負担

成長期の子供の踵の骨の端には、「成長軟骨板(せいちょうなんこつばん)」という、骨を成長させるための柔らかい軟骨部分があります。

この部分は大人になると硬い骨に変わりますが、成長期は非常にデリケートで、衝撃に弱いのが特徴です。

サッカーやバスケットボールのように、1回の練習で何百回も走ったりジャンプしたりすると、着地のたびにこの柔らかい成長軟骨板に衝撃と負担が繰り返し加わります。

この繰り返される負担が、まるで骨に小さな傷がつき続けるような状態を作り出し、痛みの直接的な原因となります。

アキレス腱が踵を引っ張ることで起こる炎症

さらに、踵の痛みには「アキレス腱」が大きく関係しています。

アキレス腱はふくらはぎの筋肉と踵の骨をつなぐ、体の中で最も強くて太い腱です。

走ったりジャンプしたりする時、ふくらはぎの筋肉が縮むと、アキレス腱は先ほど説明した成長軟骨板の部分を強く引っ張ります

この引っ張る力(牽引力)が、炎症を引き起こすのです。

つまり、シーバー病の痛みは、柔らかい成長軟骨板への「衝撃」と、アキレス腱による「引っ張る力」という、2つの負担が重なることで発生するのです。

よくある質問(FAQ)

シーバー病は、どれくらいスポーツを休む必要がありますか?

痛みが完全になくなるまで休むのが理想です。

個人差はありますが、軽い場合は数週間、痛みが強い場合は数ヶ月かかることもあります。

焦らずに、踵の痛みがなくなってから少しずつ運動を再開する治し方が大切になります。

サッカーを続けていますが、シーバー病が悪化しないか心配です。何か良い対策はありますか?

痛みを我慢してスポーツを続けると悪化する可能性が高いです。

一番の対策は休むことですが、難しい場合は練習量を減らし、練習後のストレッチを徹底しましょう。

踵への負担を軽減するインソールの使用も有効です。

シーバー病におすすめのストレッチはありますか?

ふくらはぎやアキレス腱のストレッチがおすすめです。

お風呂上がりなど体が温まっている時に、壁に手をついて足を前後に開き、後ろ足のアキレス腱をゆっくり伸ばしましょう。

痛気持ちいいと感じる程度で30秒ほどキープするのがポイントです。

シーバー病になったら、どんな靴を選べば良いですか?

踵をしっかりサポートしてくれる靴を選びましょう。

かかと部分に十分な硬さがあり、靴全体がねじれにくく、つま先がスムーズに曲がる靴が理想です。

履くたびに靴紐をきちんと結ぶことで、足の安定性が高まり、踵への負担を減らせます。

病院に行くか迷っています。どんな状態になったら行くべきですか?

踵の痛みが強くて歩くのがつらい場合や、安静にしていても痛みが引かない時は、整形外科などの病院を受診してください。

専門医に踵骨骨端症の状態を正確に診てもらうことで、子供に合った適切な治療やアドバイスを受けられます。

成長期が終わればシーバー病の痛みは自然に治りますか?

はい、シーバー病の直接的な原因は成長期の柔らかい骨にあるため、骨の成長が終わる(おおむね15歳前後)と痛みは自然に治まります。

しかし、痛みを放置すると悪化する場合もありますので、成長期の間は踵に負担をかけない対策を実践することが重要です。

まとめ

この記事では、成長期の子供に多い踵の痛み「シーバー病」の原因と治し方を解説しました。

この痛みを改善するために最も大切なのは、勇気を出して原因となっているスポーツを休むことです。

つらい踵の痛みを乗り越えるために、まずはあなたの踵を十分に休ませることから始めてみましょう。